专利摘要:
システム実施形態は、ストレス誘発ペーシング中に交感神経緊張度を増大させるように構成された一連のストレス誘発ペーシングパルスを送達する手段を含む、交感神経刺激を間欠的に送達する手段を備える。ストレス誘発ペーシングは、一連のストレス誘発ペーシング後に副交感神経反射をもたらす。実施形態は、一連のストレス誘発ペーシングパルスに協調して副交感神経反応または交感神経反応を導く神経性刺激を送達する手段を含む。神経刺激は、副交感神経反応の副交感神経効果を強化すべく一連のストレス誘発ペーシングの後と副交感神経反射の少なくとも一部と同時発生との一連のストレス誘発ペーシングに対する副交感神経反応を導くように時期が決定されるか、より大きい交感神経刺激を提供すべく一連のストレス誘発パルス中に交感神経反応を導くように時期が決定され、より大きい交感神経刺激に応じて強化された副交感神経反射をもたらす。
公开号:JP2011513028A
申请号:JP2010550676
申请日:2009-03-04
公开日:2011-04-28
发明作者:アルコット−クリシュナマーシー、シャンタ;エイチ. ケンナイト、ブルース;シー. シュロス、アラン;アール. ドーム、ダグラス
申请人:カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド;
IPC主号:A61N1-365
专利说明:

[0001] 本出願書は、概して医療装置、より詳細には自律神経系緊張度を調整する医療システム、装置および方法に関する。]
背景技術

[0002] 例えば心筋梗塞と心不全の少なくとも一方などの心臓病は、有害な心室リモデリングと、副交感神経緊張度よりも交換神経活動度に有利に働く自律神経系緊張度の不均衡が起こる可能性がある。心臓病の経過中、欠陥のある心室は、正常な心拍出量を十分に維持できないかもしれない。結果的に身体は、交感神経緊張度を増大させると共に副交感神経活動度を抑制することによって、低下した心拍出量を補う。それによって心拍数、心筋収縮度および血液量が増加する。この機構は、急性期には有益であるが、長期にわたる有害な影響を及ぼす。]
[0003] 例えば運動、ドブタミンの点滴、心筋ペーシングなどの間欠的なストレス、または外用カウンターパルゼーション法は、心臓および身体に有益なコンディショニング効果をもたらすことが、実験的に示されている。間欠的ストレス(例えば運動)によって、主に交感神経傾向から交感神経系と副交感神経系間の所望な自律平衡へと自律神経系の緊張度が傾いたので、自律神経系緊張度の不均衡が改善された。例えば、心室機能が低下した患者における集中的な運動訓練は、運動能力の有意な改善(O2取り込み、最大分時換気量、CO2産生、運動時間およびワットの増大)が生じ、左心室の容量、機能または壁厚に有害な効果を及ぼさないことが示されている。利益をもたらす潜在的な機構は、これらの短いストレス間隔が、交感神経緊張度を増大させ、更にストレスの中断後、副交感神経緊張度を反射的に増大させることであり得る。]
[0004] ドブタミンによる動物における間欠的交感神経刺激は、身体コンディショニングに類似した有益性をもたらす。パイロット臨床試験において、ドブタミン治療(30分/日、4日/週、3週間)を受けた高周波数が安定な中等度(EF=23%)の患者は、以下の有益性:運動耐性の増大;心拍変動の改善;末梢血管抵抗の低下;および血漿中ノルアドレナリンの減少;を体験した。]
[0005] 神経性(例えば、迷走神経性)刺激は、心臓病動物モデルに利益をもたらすことが示されている。この治療法はまた、自律神経系緊張度の平衡を修復することによって、利益をもたらし得る。これらのモデルにおける動物の迷走神経は、交感神経と副交感神経の両線維を有した。]
先行技術

[0006] 米国特許公開第2007/0142864号公報]
発明が解決しようとする課題

[0007] 自律神経系緊張度の不均衡を改善するために、心筋刺激と神経性刺激を制御する医療システムが必要である。]
課題を解決するための手段

[0008] 種々医療システム実施形態は、心筋刺激装置、神経性刺激装置および心筋刺激装置と神経性刺激装置に接続された制御装置を備える。心筋刺激装置は、心臓ペーシングを提供す
べく、少なくとも1つの電極を通じてペーシングパルスを送達するように構成される。神経性刺激装置は、副交感神経反応か交感神経反応のうちの少なくとも1つを導くべく、少なくとも1つの所望神経性標的に少なくとも1つの電極を通じて神経性刺激を送達するように構成される。制御装置は、心筋刺激装置を用いて、交感神経刺激を間欠的に送達するように構成される。交感神経刺激は、ストレス誘発ペーシング中に交感神経緊張度を増大させるように構成される一連のストレス誘発ペーシングパルスを含む。一連のストレス誘発ペーシングによって、一連のストレス誘発ペーシングの中断後に副交感神経反射が生じる。制御装置は、神経性刺激装置を用いて神経性刺激治療を実行するように構成されると共に、一連のストレス誘発ペーシング後の副交感神経反射を強化すべく、一連のストレス誘発ペーシングパルスと神経性刺激の間のタイミングを連係させるように構成される。制御装置は、副交感神経反射の副交感神経効果を強化するため、一連のストレス誘発ペーシングパルス後と一連のストレス誘発ペーシングに対する副交感神経反射の少なくとも一部による同時発生の副交感神経反応;または大きな交感神経刺激に応じて副交感神経反射の強化が生じる、より大きな交感神経刺激を提供するため、一連のストレス誘発パルス中の交感神経反応;の少なくとも1つを導くべく、神経性刺激の時期を決定するように構成される。]
[0009] 種々医療システムの実施形態は、ストレス誘発ペーシング中に交感神経緊張度を増大させるように構成される一連のストレス誘発ペーシングパルスを送達する手段を含む、交感神経刺激を間欠的に送達する手段を備える。一連のストレス誘発ペーシングによって、一連のストレス誘発ペーシング後に副交感神経反射が生じる。医療システム実施形態は更に、一連のストレス誘発ペーシングパルスに対して連携方法で副交感神経反応か交感神経反応を導くべく、神経性刺激を送達する手段を含む。神経性刺激は、副交感神経反射の副交感神経効果を強化すべく、一連のストレス誘発ペーシングパルス後と、一連のストレス誘発ペーシングに対する副交感神経反射のうちの少なくとも一部による同時発生の副交感神経反応を導く時期または、大きな交感神経刺激に応じて副交感神経反射の強化が生じる、より大きな交感神経刺激を提供すべく一連のストレス誘発パルス中に交感神経反応を導く時期が決定される。]
[0010] 種々の方法実施形態に従って、交感神経刺激は、間欠的に送達される。交感神経刺激の送達は、ストレス誘発ペーシング中に交感神経緊張度を増大させるように構成された一連のストレス誘発ペーシングパルスを送達することを含む。一連のストレス誘発ペーシングによって、一連のストレス誘発ペーシング後に副交感神経反射が生じる。神経性刺激は、一連のストレス誘発ペーシング後の副交感神経反射を強化すべく、一連のストレス誘発ペーシングパルスに対して連携方法で副交感神経反応を導くように送達される。神経性刺激の送達は、副交感神経反射の副交感神経効果を強化すべく、一連のストレス誘発ペーシングパルス後と、一連のストレス誘発ペーシングに対する副交感神経反射のうちの少なくとも一部分により同時発生する副交感神経反応を導く神経性刺激の時期を決定することを含む。]
[0011] 種々の方法実施形態に従って、交感神経刺激は、間欠的に送達される。交感神経刺激の送達は、ストレス誘発ペーシング中の交感神経緊張度を増大させるように構成された一連のストレス誘発ペーシングパルスを送達することを含む。一連のストレス誘発ペーシングによって、一連のストレス誘発ペーシング後に副交感神経反射が生じる。神経性刺激は、一連のストレス誘発ペーシング後の副交感神経反射を強化すべく、一連のストレス誘発ペーシングパルスに対して連携方法で交感神経反応を導くように送達される。神経性刺激の送達は、より大きな交感神経刺激に応じて副交感神経反射の強化が生じる、より大きな交感神経刺激を提供すべく、一連のストレス誘発パルス中に交感神経反応を導く神経性刺激の時期を決定することを含む。]
[0012] この概要は、本出願書の教示のうちの幾つかの概説であり、本主題を独占的または包括的に取り扱おうとするものではない。更に本主題に関する詳細は、詳細な説明と添付の特許請求の範囲において認められる。他の特徴は、以下の詳細な説明を読んで理解し、その一部を形成する図面を見れば、当業者には明らかであろう。各々の図面は、限定的な意味で解釈されるべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲とその等価物によって規定される。]
図面の簡単な説明

[0013] 運動期間に対する自律神経反応。
心臓保護的ペーシング治療(CPPT)期間に対する自律神経反応。
種々の実施形態に従う、概して心臓保護的ペーシング治療から生じる副交感神経反射を強化すべく用いられる神経性刺激。
副交感神経反応の強度を増大させることによって、副交感神経反射を強化するように時期が決定された神経性刺激を送達する種々の実施形態。
副交感神経反応の強度を増大させることによって、副交感神経反射を強化するように時期が決定された神経性刺激を送達する種々の実施形態。
副交感神経反応の強度を増大させることによって、副交感神経反射を強化するように時期が決定された神経性刺激を送達する種々の実施形態。
副交感神経反応の強度を増大させることによって、副交感神経反射を強化するように時期が決定された神経性刺激を送達する種々の実施形態。
副交感神経反応の強度を増大させることによって、副交感神経反射を強化するように時期が決定された神経性刺激を送達する種々の実施形態。
副交感神経反応の強度を増大させることによって、副交感神経反射を強化するように時期が決定された神経性刺激を送達する種々の実施形態。
副交感神経反応の持続期間を延ばすことによって、副交感神経反射を強化する神経性刺激時間を送達する種々の実施形態。
副交感神経反応の持続期間を延ばすことによって、副交感神経反射を強化する神経性刺激時間を送達する種々の実施形態で、神経性刺激は、自律神経系緊張度が、より大きな副交感神経緊張度からより大きな交感神経緊張度へと自律平衡指標閾値を超えたことを監視自律平衡指標(ABI)が表示する場合に開始される。
反応の延長を提供すべく、神経性刺激を調整することによって、副交感神経反射を強化するように時期が決定された神経性刺激を送達する種々の実施形態。
反応の延長を提供すべく、神経性刺激を調整することによって、副交感神経反射を強化するように時期が決定された神経性刺激を送達する種々の実施形態。
反応の延長を提供すべく、神経性刺激を調整することによって、副交感神経反射を強化するように時期が決定された神経性刺激を送達する種々の実施形態。
反応の延長を提供すべく、神経性刺激を調整することによって、副交感神経反射を強化するように時期が決定された神経性刺激を送達する種々の実施形態。
反応の延長を提供すべく、神経性刺激を調整することによって、副交感神経反射を強化するように時期が決定された神経性刺激を送達する種々の実施形態。
心臓保護的ペーシング治療と神経性刺激に対する両方の固有反射反応に起因する比較的定常な副交感神経の緊張度を提供すべく、全般的に図7Cにおいて例示されるような、種々の実施形態に従う治療プロトコルのタイミング図。
心臓保護的ペーシング治療後に副交感神経緊張度が増加する期間を増やす種々の実施形態に従う治療プロトコルのタイミング図。
本主題の種々の実施形態に従う、心筋をコンディショニングするペーシングと副交感神経刺激治療を提供する方法。
本主題の種々の実施形態に従う、心筋をコンディショニングするペーシングと副交感神経刺激治療を提供する方法。
本主題の種々の実施形態に従う、心筋をコンディショニングするペーシングと副交感神経刺激治療を提供する方法。
本主題の種々の実施形態に従う、心筋をコンディショニングするペーシングと神経性刺激治療を提供する装置実施形態。
種々の実施形態に従う、図11で用いられ得るような、自律平衡指標検出器。
本主題の種々の実施形態に従う、心筋をコンディショニングするペーシングと神経性刺激を提供する装置実施形態。
本主題の種々の実施形態に従う、神経性刺激(NS)成分と心調律管理(CRM)成分を備える植込型医療装置(IMD)。
マイクロプロセッサ式植込型装置の実施形態の系統図。
本主題の種々の実施形態に従う、植込型医療装置(IMD)と外部システムまたは装置を含む医療システム。
本主題の種々の実施形態に従う、外部装置、植込型神経性刺激装置(NS)および植込型心調律管理(CRM)装置を含む医療システム。
心臓に心調律管理治療を提供するように位置付けられたリードと迷走神経を刺激するように位置付けられたリードを備える、患者胸部の皮下または筋肉下に設置される植込型医療装置実施形態。
心調律管理治療を心臓に提供するように位置付けられたリードと心筋コンディショニング治療の一部として少なくとも1つの副交感神経性標的を刺激するように位置付けられた衛星変換器を備えた植込型医療装置実施形態。
外部システムの実施形態を例示するブロック図。] 図11 図7C
実施例

[0014] 本主題の以下の詳細な説明は、添付図面を参照する。図面は、特定の特徴と本主題が実行され得る実施形態を例示として示す。これらの実施形態は、当業者が本主題を実行できるように十分詳細に記載されている。他の実施形態を用い得るとともに、本主題の範囲から逸脱しない構造的、論理的、および電気的変更を行い得る。この開示物における「an」、「1つ」、または「種々の」実施形態への言及は、必ずしも同じ実施形態に対してではなく、そのような言及は、1つより多くの実施形態を意図する。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきでなく、その範囲は、そのような請求項が与えられる法的同等物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲によってのみ規定される。]
[0015] この開示物は、疾病の予防的処置と治療的処置の少なくとも一方に対して自律神経系緊張度を調整する医療システムを記載する。心臓病に対する迷走神経刺激の有益性を示すために用いられる、迷走神経が副交感神経線維と交感神経線維の両方を有した動物モデルと違って、ヒトは、迷走神経刺激によって交感神経刺激成分が提供されないように、迷走神経においてもっぱら副交感神経線維を有する。本主題は、副交感神経と交感神経の両方の緊張度を調整する能力を提供する。交感神経成分の調整は、心保護ペーシング治療で心ストレスを誘発することによって達成され、副交感神経成分の調整は、神経性刺激で達成される。]
[0016] 種々の実施形態は、副交感神経系と交感神経系の自律平衡を改善すべく自律神経系緊張度を調整する植込型医療装置システムを提供する。このシステムは、交感神経成分を調整すべく心臓に意図的にストレスをかける方法(例えば、固有心活動度と比較してより速い速度と心房−心室(AV)遅延の少なくとも一方)で心筋ペーシングを送達でき、更に副交感神経成分を調整すべく神経性刺激を送達することができる。幾つかの実施形態は、心臓保護ペーシング治療の交感神経効果を強化すべく、神経性刺激を送達することによって、更に交感神経成分を調整する。神経性刺激の負荷サイクル、パルス、持続期間、エネルギなどは、幾つかの実施形態において調整されることが可能である。幾つかの実施形態は、迷走神経サージ効果(交感神経刺激、次いで副交感神経刺激)を強化すべく交互刺激モ
ード切り換えを行う。幾つかの実施形態は、交感神経と副交感神経の両方の刺激を同時に行う。例えば心拍変動(HRV)、心拍数不整(HRT)、神経伝達物質レベル、心拍数、血圧、呼吸、および活動度などの生理的パラメータを用いることによって、自律平衡治療を滴定し得る。]
[0017] 心臓の自律平衡を改善する自律神経系緊張度の調整は、心または心筋のコンディショニング治療と称され得る。心臓コンディショニング治療は、心不全治療、高血圧症治療、または心筋梗塞後(post−MI)治療(リモデリングの治療)において用いられ得る。]
[0018] [生理機能]
以下に提供されるのは、本主題を用いて処置されることが可能な神経系と幾つかの疾病の簡単な考察である。この考察は、開示された主題を理解する上で読者の助けになるものと思われる。]
[0019] [神経系]
自律神経系(ANS)は、「不随意」臓器を調節するが、随意(骨格)筋の収縮は、体性運動神経によって制御される。不随意臓器の例には、呼吸・消化器官が含まれ、同様に血管と心臓を含む。多くの場合、自律神経系は、例えば、分泌腺の調節、皮膚、眼、胃、腸および膀胱の筋肉の調節、および心筋と血管周囲の筋肉の調節を行うため、不随意反射方法で機能する。]
[0020] 自律神経系は、交感神経系と副交感神経系を含む。交感神経系は、ストレスおよび緊急事態に対する「攻撃・逃避反応」と関連がある。幾つかある効果の中でも特に、「攻撃・逃避反応」は、骨格筋血流を増大させると共に消化を低下させるため、血圧と心拍数を増加させることによって、「攻撃・逃走」エネルギを提供する。副交感神経系は、リラクセーションおよび「休養・消化反応」と関連し、幾つかある効果の中でも特に、血流と心拍数を下げると共に消化を増大させることによって、エネルギをもたらす。自律神経系は、正常な身体の内部機能を維持し、体性神経系と連動する。求心性神経は、神経中枢にインパルスを伝え、遠心性神経は、神経中枢からのインパルスを伝える。]
[0021] 心拍数と心拍力は、交感神経系が刺激されると、増大し、交感神経系が阻害されると(副交感神経系が刺激されると)、低下する。心拍数、収縮性、および興奮性は、中枢を介した反射経路によって調整されることがわかっている。心臓、大血管、および肺における圧受容器と化学受容器は、迷走神経求心性線維と交感神経求心性線維を通じて中枢神経系に心臓活動度を伝える。交感神経求心性神経の活性化は、反射性の交感神経活性化、副交感神経阻害、血管収縮、および頻脈を誘発する。逆に、副交感神経の活性化によって、徐脈、血管拡張、およびバソプレシンの放出阻害が生じる。多くの他の因子のなかでも、副交感神経か迷走神経の緊張度の低下あるいは交感神経緊張度の増大は、心室性頻脈と心房細動を含む、種々の不整脈の発生と関連する。]
[0022] 圧反射は、圧受容器の刺激によって誘発された反射である。圧受容器は、例えば心耳、大静脈、大動脈弓および頸動脈洞の壁内における知覚神経終末など、内部の圧力上昇から生じる壁の伸縮に感受性があり、その圧力を減らす傾向にある中枢反射機構の受容器として機能する任意の圧力変化センサを含む。神経細胞群は、自律神経節と称され得る。これらの神経細胞はまた、電気刺激されることによって、圧反射を誘発することが可能である。それによって、交感神経活動度が阻害され、副交感神経活動度が刺激される。従って、自律神経節は、圧反射経路の一部を形成する。知覚神経終末から通じる、例えば迷走神経、大動脈神経および頸動脈神経などの求心性神経幹も、圧反射経路の一部を形成する。圧反射経路と圧受容器の少なくとも一方を刺激することによって、交感神経活動度が阻害され(副交感神経系を刺激する)、末梢血管抵抗と心筋収縮能を低下させることによって、
全身動脈圧が低下する。圧受容器は、内圧と血管壁(例えば動脈壁)の伸縮によって自然に刺激される。]
[0023] 交感神経系と副交感神経系の刺激は、心拍と血圧以外の効果を有することが可能である。例えば、交感神経系を刺激することによって、瞳孔が拡張し、唾液と粘液の産生が低下し、気管支筋が弛緩し、連続する胃の不随意収縮(蠕動)波および胃の運動性が低下し、肝臓によるブドウ糖へのグリコーゲンの変換が増大し、腎臓による尿分泌が低下し、更に膀胱壁が弛緩し、括約筋が締まる。副交感神経系を刺激することによって(交感神経系を阻害する)、膀胱が収縮し、唾液と粘液の産生が増大し、気管支筋が収縮し、胃と大腸の分泌と運動性が増大し、更に小腸での消化が増大し、尿分泌が増大し、更に膀胱の壁が収縮し、括約筋が弛緩する。交感神経系と副交感神経系に関連する機能は、多く、複雑に互いに統合されることが可能である。]
[0024] 神経性刺激を用いることによって、神経連絡を刺激するか、神経連絡を阻害することが可能である。神経連絡を刺激する神経性刺激の例は、低域周波数信号である(例えば、およそ20〜50Hzの範囲内)。神経連絡を阻害する神経性刺激の例は、高域周波数信号である(例えば、およそ120〜150Hzの範囲内)。神経連絡を刺激および阻害する他の方法が、提案されてきた。本主題の種々の実施形態に従い、交感神経性標的には、限定するものではないが、腓骨神経、脊髄の交感神経柱、および心臓交感神経節後ニューロンが含まれる。本主題の種々の実施形態に従い、副交感神経性標的は、限定しないが、迷走神経、圧受容器、および心臓脂肪体が含まれる。神経性刺激は、求心性神経経路に選択的に送達され得るか、遠心性神経経路に選択的に送達され得るか、求心性と遠心性の両方の神経経路に送達されることが可能である。例えば、幾つかの実施形態は、副交感求心性神経のみか、副交感遠心性神経のみを選択的に刺激または阻止し、幾つかの実施形態は、交感求心性神経か遠心性神経を選択的に刺激または阻害する。]
[0025] [疾病]
本主題は、自律神経系緊張度を調整することによって、種々の疾病を予防的または治療的に処置するために用いることが可能である。そのような疾病または健康状態の例には、高血圧症、心臓リモデリング、および心不全が含まれる。]
[0026] 高血圧症は、心臓病および他の関連する心臓共存症を引き起こす原因である。高血圧症は、血管が収縮すると生じる。結果的に、心臓は、心不全の一因となり得る、より高い血圧で血流を維持すべく更に懸命に働く。高血圧症は全般的に、心血管損傷または他の悪影響を誘発しそうなレベルに全身動脈血圧が一過性か持続的に上昇するなど、高血圧に関する。高血圧症は、140mmHgを超える収縮期血圧か90mmHgを超える拡張期血圧として規定されている。高血圧症を制御せずに放置して生じる結果には、限定するものではないが、網膜血管疾病と脳卒中、左心室肥大と不全、心筋梗塞、解離性動脈瘤、および腎血管性疾患が含まれる。大部分の一般住民、並びにペースメーカか除細動器を植込んだ大部分の患者は、高血圧症を患う。長期死亡率および生活の質は、血圧と高血圧が低下し得るなら、この個体群に対して改善されることが可能である。高血圧症を患う多くの患者は、生活様式の変化および降圧剤に関する処置などの処置に反応しない。]
[0027] 心筋梗塞(MI)または他の原因による心拍出量低下に続き、構造的因子、生化学的因子、神経ホルモン因子、および電気生理学的因子を伴う心室の複雑なリモデリング過程が生じる。心室リモデリングは、心室の拡張期充満圧を増大させ、それによって所謂前負荷(即ち、心臓拡張期の終わりに心室内の血液量によって、心室が伸張される程度)を増大させる所謂後方不全のために、心拍出量を増大させるように働く生理学的代償機構によって誘発される。前負荷の増大は、心臓の収縮期中の1回拍出量の増加、つまりフランク・スターリング(Frank−Starling)原理として知られる現象をもたらす。し
かし、一定期間にわたる増大した前負荷のために心臓が伸張されると、心室は、拡張されることになる。心室容量の拡大は、所定の収縮期圧での心室壁ストレスの増加をもたらす。これは、心室によって行われた圧・容積作業の増大と共に、心室心筋を肥大させる刺激として働く。拡張の欠点は、正常な残りの心筋にかかる余分な作業負荷と、肥大のための刺激を示す壁張力の増大である(ラプラス(Laplace’s)の法則)。肥大に張力の増大に適合する能力が十分ないと、更に拡張させ、進行性の拡張をもたらす悪循環が続いて起こる。心臓が拡張し始めると、求心性圧受容器と心肺受容器信号は、血管運動中枢神経系制御中枢に送られる。前記制御中枢は、ホルモン分泌と交感神経放電に反応する。血液動態、交感神経系およびホルモンの変調(アンジオテンシン変換酵素(ACE)活性の有無など)の組み合わせは、結局のところ、心室リモデリングに伴い細胞構造が有害変化を起こす原因である。肥大をもたらす持続的なストレスは、心筋細胞の{ひはくか}アポトーシス(すなわちプログラム細胞死)と最終的に心機能を更に悪化させる壁の菲薄化を誘発する。従って、心室拡大と肥大は、最初は代償性であると共に心拍出量を増大させ得るが、その過程は、最終的に収縮期と拡張期の両方の不全(代償不全)をもたらす。心室リモデリングの程度は、心筋梗塞後および心不全患者における死亡率の増加と正相関することが示されている。]
[0028] 心不全は、心臓機能が末梢組織の代謝要求に対応する十分なレベルを下回り得る正常より低い心拍出量をもたらす臨床的な症候群を指す。心不全は、静脈と肺の鬱血を伴うため、それ自体、鬱血性心不全(CHF)として現れ得る。心不全は、例えば虚血性心臓疾患などの様々な種類の病因による可能性がある。心不全患者は、左心室(LV)不全と死亡率の増加に関連する自律平衡の低下を有する。交感神経系と副交感神経系の調整は、心不全と心筋梗塞後患者におけるリモデリングと死亡を防止する上で潜在的な臨床的利点を有する。直接的な電気刺激は、圧反射を活性化し、交感神経活動度の低下を誘発すると共に、血管抵抗を下げることによって、血圧を低下させ得る。交感神経阻害と副交感神経活性化は、恐らく急性期虚血性心筋の側枝かん流の増大と心筋損傷の低下による、心筋梗塞後の不整脈基弱性の低下に関連している。]
[0029] [心臓保護的ペーシング治療(CPPT)]
洞房(SA)結節は、電気伝導系を通じて心臓の様々な域に伝播する電気インパルスを発生することによって、これらの領域の心筋組織を活性化させる。固有心調律は、正常調律か異常調律であり得る。正常電気伝導系における電気インパルスの伝播の連係遅延は、心臓の様々な部分を同調して収縮させる。本明細書において用いられるような同調は、効率的なポンプ機能が生じるように心臓の様々な部分の連係収縮を示す。同調は、心臓の全部分が同時に収縮することを示さない。]
[0030] 異常な電気伝導と悪化心筋組織の少なくとも一方は、心臓の様々な部分間の非同調(非連係タイミング)をもたらし、結果的に非効率的なポンプ機能が生じる。本主題は、自律神経系緊張度を調整する医療システム、装置および方法に関する。本主題は、心臓保護ペーシング治療(CPPT)と神経性刺激を用いることによって、心臓コンディショニング治療を提供し、自律平衡を改善するので、心臓の健康状態を改善する。心臓保護的ペーシング治療は、間欠的期間中、心臓に意図的にストレスを加えるような方法で心臓をペーシングする間欠的ペーシング治療である。心臓保護的ペーシング治療により心臓にストレスが加えられると、心臓は、心臓保護的ペーシング治療が心臓に適用されない場合の期間と比較して、より懸命に心臓を働かせるべく、ペーシングされる。ペーシング心臓は、ストレス誘発ペーシングパルスが送達される部位から離れた心臓の局所部位でより懸命に働く。例えば、ストレスが加えられた心臓は、より速く、およびより非同調的(低連係的)に、あるいはその何れか一方で脈打つようにペーシングされ得る。限定ではないが、例として、種々の心臓保護的ペーシング治療実施形態は、右心房のペーシング速度を増大させ、右心室のペーシング速度を増大させ、心室−心房遅延を短縮し、および心室−心室遅延(
VV遅延)を延長するか、その何れか一方を行う。心臓保護的ペーシング治療強度の増大は、右心房か右心室のペーシング速度を更に増大させ、心臓保護的ペーシング治療を行わない場合の固有速度とより異なるように心室−心房遅延を更に短縮し、および心臓保護的ペーシング治療を行わない場合の固有速度とより異なるように心室−心室遅延を更に延長するか、その何れか一方を含み得る。心臓保護的ペーシング治療強度の低下は、右心房か右心室のペーシング速度を固有速度近くに低下させ、心室−心房遅延を固有心室−心房遅延近くに増大させ、および心室−心室遅延を固有心室−心室遅延近くに短縮するか、その何れか一方を含み得る(固有の調律が正常か異常かにかかわらず)。より高強度の心臓保護的ペーシング治療の送達は、心臓保護的ペーシング治療中の交感神経反応の増大に対応する。]
[0031] [自律平衡指標(ABI)]
自律平衡指標は、自律神経系緊張度を調整する治療の閉鎖ループ制御を提供すべく用いることが可能である。種々の実施形態は、心拍数変動(HRV)、心拍数不整(HRT)、電気記録図特性、活動度、呼吸、および肺動脈圧などのパラメータのうちの1つか、種々の組み合わせを用いて自律平衡指標を評価する。これらのパラメータを次に簡単に考察する。様々な実施形態は、自律平衡指標を用いて処置の閉鎖ループ制御を提供する。]
[0032] 心拍変動は、自律平衡を評価すべく提案されている技法の1つである。心拍変動は、洞房結節の調節、自律神経系の交感神経枝と副交感神経枝による心臓の自然なペースメーカに関する。心拍変動評価は、交感神経活動度と迷走神経活動度の平衡度によって規定されるように、心臓調律における心拍間隔の変動が、我々に心臓の健康度の間接的尺度を提供するという前提に基づく。]
[0033] 固有心室性心収縮間の時間間隔は、心拍数変化に対する身体の代謝要求と循環系を通って送り出された血液量に応じて変化する。例えば、運動または他の活動期間中、人間の固有心拍数は一般的に、数回か多数回の心拍期間にわたって増大することになる。しかし、運動をしていない場合の心拍間隔、即ち、1つの心拍から次の心拍までの間隔でさえ、固有心収縮間の時間間隔は、健常人において変動する。固有心拍数のこれらの心拍数間隔変動は、血圧および心拍出量の自律神経系による適切な調節の結果である。即ち、そのような変動が存在しないことは、自律神経系によって提供される調節に欠陥があり得ることを示す。心拍変動を分析する1つの方法は、固有心室収縮を検出することと、任意の異所性収縮(正常な洞律動の結果ではない心室収縮)を除去した後、R−R間隔(心拍数変動)と称される、これらの収縮間の時間間隔を記録することとを含む。このR−R間隔信号は通常、例えば、高速フーリエ(Fourier)変換(AFFT@)技法などを用いることによって、周波数領域に変換されるので、そのスペクトル周波数成分を分析し、低周波数帯域と高周波数帯域に分割することが可能である。例えば、低周波数(LF)帯域は、周波数(Af@)範囲0.04Hz<f<0.15Hzに対応でき、高周波数(HF)帯域は、周波数範囲0.15Hz<f<0.40Hzに対応することが可能である。高周波数帯域のR−R間隔信号は、自律神経系の副交感神経/迷走神経成分によってのみ影響される。低周波数帯域のR−R間隔信号は、自律神経系の交感神経成分と副交感神経成分の両方によって影響される。結果的に、低周波数/高周波数比は、自律神経系の交感神経成分と副交感神経/迷走神経成分の間の自律平衡の優れた指標とされている。低周波数/高周波数比の増加は、交感神経成分の優位性が高まったことを示し、低周波数/高周波数比の減少は、副交感神経成分の優位性が高まったことを示す。特定の心拍数に対して、低周波数/高周波数比は、患者の健康指標とされ、低周波数/高周波数比が低いほど、心臓血管の健康状態が良いことを示す。R−R間隔信号の周波数成分のスペクトル分析は、時間領域から周波数領域へFFT(あるいは自己回帰などの他のパラメトリック変換)技法を用いて行われることが可能である。そのような計算は、有意なデータ保存量と処理能力を必要とする。更に、そのような変換計算は、電力消費量を増やすため、植込型電池式装置
の電池交換までの使用可能な期間を短縮する。]
[0034] 心拍変動パラメータの1例は、平均化NN間隔の標準偏差(SDANN)である。平均化NN間隔の標準偏差は、記録全体に含まれる連続する5分セグメント全ての平均値の標準偏差を示す。他の心拍変動パラメータを使用することが可能である。]
[0035] 心拍数不整は、短い初期心拍数加速、続いて心拍数減速からなる心室性期外収縮(PVC)の洞結節の生理反応である。心拍数不整は、心拍変動に密接に相関する自律神経機能の指標であるとみられてきた。心拍数不整は、自律神経圧反射であると考えられている。心室性期外収縮は、動脈血圧の短時間撹乱(期外収縮の低振幅、続いて起こる正常収縮の高振幅)を生じさせる。この一瞬の変化は、自律神経系が健常であれば、心拍数不整形状の瞬間反応で直ちに記録されるが、自律神経系が損なわれていれば、弱くなるか、欠けているかの何れかである。]
[0036] 限定ではなく例として、乱れ発現(TO)および乱れ傾斜(TS)を用いて心拍数不整を定量することが提案されてきた。乱れ発現は、心室性期外収縮直前と直後の心拍数間の差を指し、パーセンテージで表示されることが可能である。例えば、2つの拍動が、心室性期外収縮の前後で評価される場合、乱れ発現は、以下の式で表わされることが可能である。]
[0037] RR−2とRR−1は、心室性期外収縮に先行する最初の2つの正常間隔であり、RR+1とRR+2は、心室性期外収縮に続く最初の2つの正常間隔である。様々な実施形態において、乱れ発現は、各々の個々の心室性期外収縮に対して測定され、次に個々の測定値全ての平均値が決定される。しかし、乱れ発現は、多くの測定値にわたって平均化される必要はないが、1つの心室性期外収縮事象に基づくことが可能である。正の乱れ発現値は、洞調律の減速を示し、負の値は、洞調律の加速を示す。心室性期外収縮前後で分析されるR−R間隔の数は、所望のアプリケーションに従って調整されることが可能である。例えば乱れ傾斜は、各々の5R−R間隔列に対する線形回帰の最も険しい傾斜として算出されることが可能である。様々な実施形態において、乱れ傾斜計算は、平均タコグラムに基づき、RR間隔当たりのミリ秒で表わされる。しかし、乱れ傾斜は、平均化せずに決定されることが可能である。乱れ傾斜計算における線形回帰を決定するのに用いられる列のR−R間隔数はまた、所望のアプリケーションに従って調整されることが可能である。]
[0038] 心室性期外収縮の選択に用いるためと、心室性期外収縮前後の有効なRR間隔の選択に用いるためとに法則または基準が提供されることが可能である。心室性期外収縮事象は、先の間隔よりもある時間またはパーセンテージ短い間隔範囲のR−R間隔によって規定されることが可能であるか、または心房事象が測定される場合、介入P波(心房事象)の無いR−R間隔によって規定されることが可能である。種々の実施形態は、先行収縮から特定の範囲で収縮が生じる場合と、次の収縮から特定の範囲内で収縮が生じる場合にのみ心室性期外収縮を選択する。例えば、種々の実施形態は、20%の最小期外収縮と正常間隔より少なくとも20%長い期外収縮後間隔を有する心室性期外収縮に心拍数不整計算を限定する。更に、心室性期外収縮前R−R間隔と心室性期外収縮後R−R間隔は、拍動が心室性期外収縮でない状態を満たす場合、有効であると考えられる。例えば、1つの心拍数不整過程は、初回の持続時間より短いRR間隔、2回目持続期間より長いRR間隔、先行
間隔と3回目持続期間より多く異なるRR間隔か、または基準間隔と所定量の持続期間かパーセンテージだけ異なるRR間隔を排除する。特定値を有するそのような心拍数不整過程の実施形態において、RR間隔は、それらが300ミリ秒未満の場合、2000ミリ秒より長い場合、先行間隔と200ミリ秒より多く異なる場合、あるいは最後の5つの洞間隔の平均値から20%より多く異なる場合、排除される。本主題の様々な実施形態は、心室性期外収縮の選択で用いるためと、心室性期外収縮前後の有効なRR間隔の選択に用いるためとに、例えば上記で同定される何れかのパラメータなどのプログラム可能パラメータを提供する。]
[0039] 自律平衡を評価するこの技法を組み込んだ神経性刺激装置は、副交感神経刺激か阻害または交感神経刺激か阻害の何れかを提供すべく用いられることが可能である。種々の装置実施形態は、例えば少なくとも1つの心室ペーシングリードなどの心室をペーシングする手段を含む。閉鎖ループ治療滴定の自律平衡を測定するため、装置は、上記のように、心室性期外収縮を間欠的に導入するか検知し、更に生じる心拍数不整を測定する。]
[0040] 自律平衡の監視に用いる心拍数不整の利点は、自律平衡を時間内の一瞬間に測定する能力を含むことである。更に、心拍変動の測定と異なり、心拍数不整評価は、常習的心房ペーシングを有する患者で実行されることが可能である。更に、心拍数不整分析は、プロセッサを利用しない自律平衡の簡易測定を提供する。従って、データ処理、データ保存、およびデータの流れは、比較的小さいので、装置は、経費が少なくなり、電力消費も少なくなる。また、心拍数不整評価は、心拍変動よりも速いので、R−Rデータ量はずっと少なくてもよい。心拍数不整により、例えば、およそ10秒などの典型的な神経性刺激バースト持続時間と類似した持続時間中の短い記録期間にわたる評価が可能になる。]
[0041] 様々な実施形態は、自律平衡指標を提供すべく、様々な心電図特性(ECG特性)を抜き出す。そのような特性の例には、心拍変動の形成に用いられ得る心拍数、および心拍数不整が含まれる。他の特性を心電図から抜き出すことができ、これらの特性の1つか種々の組み合わせを用いることによって、自律平衡指標を提供することが可能である。種々の実施形態は、自律平衡指標を提供すべく、血圧を提供する。例えば、幾つかの実施形態は、肺動脈血圧を検知する。]
[0042] 活動度センサを用いることによって、患者の活動度を評価することが可能である。交感神経活動度は、活動的な患者において自然に増加し、活動的ではない患者では低下する。従って、活動度センサは、患者の自律平衡の測定に用いる状況的測定値を提供することが可能である。様々な実施形態は、例えば、活動度の指標を提供すべく、心拍数と呼吸数の少なくとも一方を管理するセンサの組み合わせを提供する。]
[0043] 呼吸を検出する2つの方法は、経胸腔インピーダンスと分時換気量の測定を含む。呼吸は、活動度の指標であり得ると共に、交換神経緊張度の増大についての説明を提供することが可能である。例えば、運動に起因する交換神経活動度の増大が検出されたため、自律神経系緊張度を調整すべく処置を変更または調整することは、適切でないかもしれない。]
[0044] 呼吸測定値(例えば経胸腔インピーダンス)を用いることによって、呼吸洞不整脈(RSA)を測定することも可能である。呼吸洞不整脈は、洞房結節へ流れる交換神経と迷走神経のインパルスに及ぼす呼吸の影響によって生じる不整脈の自然のサイクルである。心臓の調律は、主として迷走神経の制御下にあり、心拍と収縮力を阻害する。息が吸い込まれると、迷走神経活動は、妨げられ、心拍数は、増加し始める。息が吐き出されると、迷走神経活動は、増大し、心拍数は、減少し始める。心拍数の変動度は、大動脈と頸動脈における圧受容器(圧力センサ)由来の規則正しいインパルスによっても有意に制御される。従って、自律平衡の測定値は、心拍数を呼吸周期に相関させることによって、提供され
ることが可能である。]
[0045] [治療プロトコル]
本主題は、心筋ペーシング成分(CPPT)と神経性刺激成分による心臓または心筋コンディショニング治療を用いて自律神経系緊張度を調整する。心筋のプレコンディショニングは、予想事象に備えた予防治療として生じる。例えば、心筋は、外科手術を予想してプレコンディショニングされ得るか、次回の虚血性事象の確率が高くなったことを示す観察または検出事象に基づいてプレコンディショニングされることが可能である。そのような事象例には、既往の心筋梗塞と狭心症が含まれる。予防的コンディショニングは、心不全、高血圧症およびリモデリングの傾向がある患者の健康状態を改善すべく、より高い交感神経傾向から自律平衡に自律神経系緊張度を調整するのに用いられることが可能である。心筋のポストコンディショニングは、疾病の治療的療法として生じる。例えば、心筋のポストコンディショニングは、虚血性事象に起因する任意の梗塞部分の大きさを減らすことが可能である。例えば、ポストコンディショニング治療は、心筋梗塞の観測後、患者または医師から受けた命令に基づいて始動し得るか、医師が、心臓停止患者の外科的処置後に、ポストコンディショニング治療を送達することが可能である。1つの実施形態において、装置は、ポストコンディショニング治療に適応される虚血性事象か他の事象を検出し、次いで自動的にポストコンディショニング治療を送達する。ポストコンディショニング治療は、再かん流時間中、再かん流後の一定時間、または再かん流中と再かん流後一定時間に生じる。]
[0046] 心臓コンディショニング治療はまた、不都合に高い交感神経傾向を有する自律神経系緊張度の有害効果から保護するので、心臓保護治療と称され得る。心臓コンディショニング治療は、運動の効果に類似し得る。]
[0047] 図1は、運動期間に対する自律反応を例示する。運動は、交感神経反応を増大させる刺激である。運動期間の終了後、運動に対する反射反応は、副交感神経緊張度を増大させる。副交感神経反応は、運動の交感神経作用に対する反応であるように思われる。当業者は、例示したグラフが単なる例示にすぎないことを理解しているであろう。横軸は、時間を示し、縦軸は、自律神経系の緊張度を示す。単純化するため、横軸に対応する縦軸の値は、自律平衡(交感神経活動度と副交感神経活動度間の平衡)を示す。当業者は、副交感神経緊張度がより大きくなることによって、心臓の健康状態が改善し、自律平衡が改善するので、横軸(自律平衡を示す)は、時間とともにより副交感神経緊張度方向に傾き得ることを心得ているだろう。日常的な運動例のために、ランナーのコンディショニングが改善するので、ランナーの安静時心拍数は、下がる傾向にあるということが知られている。この例は、心拍数の上昇からも明らかなように、交感神経緊張度を一時的に増大させるランニングは、ランナーの自律平衡をより副交感神経緊張度の方向に傾け得ることを示す。] 図1
[0048] 更に以下に述べるように、本主題の幾つかの実施形態は、神経性刺激のタイミングを制御すべく心臓保護的ペーシング治療に対する副交感神経反射反応を示す反射テンプレートを用いる。幾つかの実施形態に従って、この反射テンプレートは、心臓保護的ペーシング治療に対する一般集団か特定集団の反応に基づくもので、装置にプログラムされる。幾つかの実施形態に従い、反射テンプレートは、心臓保護的ペーシング治療に対する反射反応を検出すべく自律平衡指標を監視することによって、個々の患者に対して決定されることが可能である。]
[0049] 図2は、心臓保護的ペーシング治療期間に対する自律反応を例示する。運動期間と類似して、心臓保護的ペーシング治療は、ペーシング期間中に交感神経反応を増大させる刺激であり、それによってペーシング終了後に副交感神経緊張度を増大させる反射反応が生じる。例示されるように、心臓保護的ペーシング治療は、所望の副交感神経反射(作用に対
する反応)をもたらす交感神経成分(作用)を提供する刺激として機能する。心臓コンディショニング治療は、推奨運動期間(例えば30〜60分間を日に2回)に相当し得る。種々の治療期間と頻度を用いることが可能である。様々な心臓コンディショニング治療は、スケジュールに従ってプログラムされる。種々の心臓コンディショニング治療は、患者による運動期間の検出後に生じるようにプログラムされる。] 図2
[0050] 図3は全般的に、種々の実施形態に従う、心臓保護的ペーシング治療から生じる副交感神経反射を強めるべく使用する神経性刺激を例示する。幾つかの実施形態は、心臓保護的ペーシング治療のペーシング中に交感神経反応を導くためと、心臓保護的ペーシング治療のペーシング中に交感神経刺激を増大させるためと、より大きな副交感神経反応(作用が大きいほど、大きな反応が生じる)をもたらすためとに神経性刺激を送達する。幾つかの実施形態は、心臓保護的ペーシング治療のペーシング終了後に副交感神経反応を導くため、心臓保護的ペーシング治療から生じる副交感神経反射中に副交感神経反応を増大させるべく神経性刺激を送達する。幾つかの実施形態は、心臓保護的ペーシング治療のペーシング中に交感神経反応を導くためと、心臓保護的ペーシング治療のペーシング終了後に副交感神経反応を導くためとの両方のために神経性刺激を送達する。図3の例示グラフにおいて、点線は、心臓保護的ペーシング治療に起因する自律神経系の緊張度を示し、実線は、全般的に心臓保護的ペーシング治療期間中の神経性刺激に起因する交感神経緊張度の増加と心臓保護的ペーシング治療期間後の副交感神経緊張度の増加を示す。] 図3
[0051] 種々の実施形態に従って、交感神経反応を導く神経性刺激は、交感神経の神経連絡を増大させる神経性刺激を含む。様々な実施形態に従い、交感神経反応を導く神経性刺激は、副交感神経の神経連絡を阻害または低下させる神経性刺激を含む。様々な実施形態に従って、副交感神経反応を導く神経性刺激は、副交感神経の神経連絡を増大させる神経性刺激を含む。様々な実施形態に従い、副交感神経反応を導く神経性刺激は、交感神経の神経連絡を阻害または低下させる神経性刺激を含む。
幾つかの実施形態は、副交感神経刺激を停止し、更に間欠的ストレスペーシング治療を始める前に、「ウオッシュ・アウト期間」を与えてからでないと、間欠的ストレスペーシング治療を開始しない。幾つかの実施形態は、間欠的ストレスペーシング治療と副交感神経治療のON/OFFサイクルを交互に行う。例えば、幾つかの実施形態は、主に日中に副交感神経刺激を送達し、夜間に間欠的ストレスペーシング治療を送達する治療を予定に入れる。種々の実施形態は、運動/活動または他の交感神経刺激を監視し、運動/活動または他の交感神経刺激の後に間欠的ストレスペーシング治療を始め、間欠的ストレスペーシング治療の送達後、副交感神経刺激を送達する。]
[0052] 図4A〜図4Fは、副交感神経反応強度を増大させることによって、副交感神経反射を強めるように時期が決定された神経性刺激を送達する種々の実施形態を例示する。例示実施形態において、神経性刺激は、副交感神経反応を強化すべく心臓保護的ペーシング治療に対する反射反応中に定常強度または変動強度で送達される。図4Aは、全般的に本主題の実施形態に対する心臓保護的ペーシング治療と神経性刺激のタイミングを例示する。図4Bは、図4Dと図4Fにおいて同様に点線で例示される心臓保護的ペーシング治療に対する固有か非強化生理的副交感神経反射を例示する。反射テンプレートは、この固有反応に対応し得る。図4Cは、図4Dにおいて同様に点線で例示される固有反応の持続時間中の比較的定常な強度の神経性刺激を例示する。図4Dは、図4Cの神経性刺激と固有反応に起因する副交感神経反応を例示すると共に、より副交感神経緊張度方向への固有反応の一般的オフセットを例示する。図4Eは、図4Bにおいて例示される固有反応に類似した強度包絡線を提供すべく強度が変動する場合の神経性刺激を例示する。図4Fは、図4Eの神経性刺激と固有反応に起因する副交感神経反応を例示すると共に、全般的に固有反応を要因とする強化反応型を例示する(例えば固有反射反応の値の2倍)。] 図4A 図4B 図4C 図4D 図4E 図4F
[0053] 図5は、副交感神経反応の持続期間を延長することによって副交感神経反射を強化する神経性刺激時間を送達する種々の実施形態を例示する。例示した実施形態において、神経性刺激は、心臓保護的ペーシング治療に対する固有反応の終了後か終了間近に開始される。タイミングは、所定または作成反射テンプレートに基づくプログラマブル遅延に基づき得る。従って神経性刺激は、心臓保護的ペーシング治療終了後の所定遅延後に生じるように時期が決定されることが可能である。幾つかの実施形態はまた、心臓保護的ペーシング治療期間中の交感神経刺激を強化する神経性刺激を含む。] 図5
[0054] 図6は、副交感神経反応の持続期間を延長することによって副交感神経反射を強化する神経性刺激時間を送達する種々の実施形態を例示する。その場合、自律神経系の緊張度が、より大きな副交感神経緊張度からより大きな交感神経緊張度方向に自律平衡指標閾値を超えたことを監視自律平衡指標が示すと、神経性刺激が開始される。従って、神経性刺激のタイミングは、検知パラメータに基づき得る。幾つかの実施形態は、検知パラメータとプログラム可能遅延の両方のタイミングに基づく(例えば、xの遅延後に、閾値を超えるなら/閾値を超える場合、刺激を開始する)。] 図6
[0055] 図7A〜図7Fは、延長反応を提供すべく神経性刺激を調整することによって副交感神経反射を強化する時期が決定された神経性刺激を送達する種々の実施形態を例示する。図7Aは、全般的に本主題の実施形態に対する心臓保護的ペーシング治療と神経性刺激のタイミングを例示する。図7Bは、図7C〜図7Eにおいて同様に点線で例示される、心臓保護的ペーシング治療に対する固有または非強化生理的副交感神経反射反応を例示する。図7Cは、神経性刺激中に比較的定常な副交感神経緊張度を提供すべく、神経性刺激強度が固有反応の遅延に対応するように変動する実施形態を例示する。図7Dは、神経性刺激中に自律平衡に徐々に低下する副交感神経緊張度を提供すべく、神経性刺激強度が固有反応の遅延に対応する形で変動する実施形態を例示する。図7Eは、固有反射反応中に生じるピーク交感神経緊張度より低い神経性刺激中に比較的定常な副交感神経緊張度を提供すべく、固有反応の遅延に対応する形で神経性刺激強度が変動する実施形態を例示する。] 図10A 図10B 図10C 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17
[0056] 図8は、心臓保護的ペーシング治療と神経性刺激に対する両方の固有反射反応に起因する比較的定常な副交感神経緊張度を提供すべく、例えば全般的に図7Cにおいて例示されるような種々の実施形態に従う治療プロトコルのタイミング図を例示する。図8において例示される実施形態において、神経性刺激の強度を増強させることによって、反射テンプレート中(反応持続期間)により大きな強度を指数関数的に提供する。反射時間後、例示実施形態は、比較的一定強度の神経性刺激を提供することによって、比較的一定な副交感神経反応を提供する。] 図7C 図8
[0057] 図9は、心臓保護的ペーシング治療後に増加した副交感神経緊張度の期間を増大させる種々の実施形態に従う治療プロトコルのタイミング図を例示する。図9において例示される実施形態において、神経性刺激は、心臓保護的ペーシング治療の持続期間の機能に基づいた期間送達される。例示実施形態において、副交感神経反応を導く神経性刺激は、心臓保護的ペーシング治療終了時か、心臓保護的ペーシング治療終了の直後に始まり、神経性刺激期間は、心臓保護的ペーシング治療持続期間の2倍である。] 図9
[0058] [プレコンディショニングおよびポストコンディショニング]
図10A〜図10Cは、本主題の種々の実施形態に従う、心筋をコンディショニングするペーシングと副交感神経刺激治療を提供する方法を例示する。図10Aにおいて例示されるように、1001で心筋をコンディショニングする治療を実行すべきかどうかが判定される。心筋のコンディショニングが判定されると、1002で心臓保護治療を提供する過程に進む。治療1002は、1003で例示される心臓保護的ペーシング治療と、1004で例示される神経性刺激治療とを含む。治療1003および治療1004は、心臓保
護的ペーシング治療に対する反射反応を高めるように時期が適切に決定される。] 図10A 図10B 図10C
[0059] 図10Bは、心筋の予防的プレコンディショニング治療を提供すべくペーシングと副交感神経刺激治療を提供する方法を例示する。予防的プレコンディショニング治療を開始する理由には、疾病の発症リスクを減らすための自律平衡の改善、外科的措置の準備、または検知危険因子または既知危険因子により予測される虚血性事象が含まれる。図10Bにおいて例示されるように、心臓保護的ペーシング治療と神経性刺激治療は共に、種々の実施形態に従って、検知(例えば自律平衡指標)危険因子または既知危険因子のために長期的に適用される。] 図10B
[0060] 図10Cは、心筋の治療的ポストコンディショニング治療を提供すべく、ペーシングと副交感神経刺激治療を提供する方法を例示する。治療的療法を開始する理由には、心筋を再かん流する外科的処置の一部、検知または観測心筋梗塞、あるいは他の何れかの検知虚血性事象が含まれる。図10Cにおいて例示されるように、心臓保護的ペーシング治療と神経性刺激は共に、種々の実施形態に従って、心筋の再かん流の少なくとも一部分中および再かん流後の一定期間適用される。] 図10C
[0061] [装置実施例]
図11は、本主題の種々の実施形態に従う、心筋をコンディショニングするペーシングと神経性刺激治療を提供する装置実施形態を例示する。例示装置1105は、検知回路1106、虚血検出器1107、および自律平衡指標(ABI)検出器1108、パルス出力回路1109、神経性刺激装置1110、および制御回路1111を含む。検知回路1106は、幾つかの電極と1か複数のセンサの少なくとも一方を用いて、1か複数の信号を検知する。1か複数の信号は、自律平衡指標と虚血性事象の少なくとも一方を示す。自律平衡指標検出器1108は、信号から自律平衡指標を判定する。虚血検出器1107は、信号から虚血性事象を判定する。心筋刺激装置としてのパルス出力回路1109は、心筋ペーシングパルスを心臓に送達し、神経性刺激装置1110は、所望の副交感神経反応を導く神経性刺激を提供する(例えば迷走神経、迷走神経枝、または心臓脂肪体など心臓を支配する副交感神経回路網を刺激するか、適当な交感神経網を阻害する)。制御回路1111は、1か複数の検知信号に基づいて、および検出自律平衡指標と虚血性事象の少なくとも一方に応じて、あるいはその何れか一方でペーシングパルスと神経性刺激の送達を制御する。種々の実施形態において、装置1105は、植込型医療装置の植込型ハウジング内に実質的に含まれる。] 図11
[0062] 制御回路1111は、心筋刺激モジュール1112と神経性刺激モジュール1113を含む。心筋刺激モジュール1112は、心臓保護的ペーシング治療(CPPT)イニシエータ1114および心臓保護的ペーシング治療(CPPT)タイマ1115を含む。心臓保護的ペーシング治療イニシエータ1114は、スケジュールに従って、および自律平衡指標と虚血性事象の少なくとも一方に応じて、あるいはその何れか一方によって1か複数のペーシング列を開始する。心臓保護的ペーシング治療列は各々、交互に起きるペーシング期間と非ペーシング期間を含む。ペーシング期間は各々、複数のペーシングパルスが送達されるペーシング持続期間を有する。非ペーシング期間は各々、ペーシングパルスが送達されない非ペーシング持続期間を有する。心臓保護的ペーシング治療が開始されると、心臓保護的ペーシング治療タイマ1115は、前記列の時期を決める。例えば、種々の実施形態は、毎時10分間または日に1か複数回30〜60分間のペーシングを提供する。これらの値は、例であり、全般的に運動療法に対応する。当業者は、患者の個別の要求に適合すべく、種々の実施形態に従って、これらの値を調整およびプログラムできることを理解しているであろう。また種々の事象は、所望の時々で刺激の時期を決める入力として検知および使用されることが可能である。そのような事象を検出するセンサ例には、活動度センサが含まれる。コンディショニング治療が検知パラメータに基づいて無視される(
例えば、取り消しまたは保留される)場合には、特定のスケジュールも同様に用いられ得る。神経性刺激モジュール1113には、神経性刺激(NS)イニシエータ1116、神経性刺激(NS)タイマ1117、および反射反応テンプレート1118が含まれる。神経性刺激イニシエータ1116は、スケジュールに従って、および検出自律平衡指標に応じて、あるいはその何れか一方に従って1か複数の神経性刺激列を開始する。1か複数の神経性刺激列は各々、交互に起こる刺激期間と非刺激期間を含む。刺激期間は各々、副交感神経反応を導くべく(例えば、副交感神経性標的を刺激するか、交感神経性標的を阻害する)、神経性刺激が、神経性標的に送達される持続期間を有する。非刺激期間は各々、神経性刺激が送達されない非刺激期間を備える。神経性刺激列が開始されると、神経性刺激タイマ1117は、前記列の時期を決める。例えば、種々の実施形態は、毎分10秒間の神経性刺激(例えば、1〜2mAで300μパルス)を提供する。反射反応テンプレートは、個体群に対して一般的に知られている反射に基づいて前もってプログラムされ得るか、心臓保護的ペーシング治療に応じた監視自律平衡指標に基づいて記録され得る。種々の実施形態に従い、この反射反応テンプレートを用いることによって、神経性刺激の持続期間と強度の少なくとも一方を制御する。種々の実施形態に従って、神経性刺激装置回路1110は、以下のパルス特性:刺激パルスの振幅、刺激パルスの周波数、パルスのバースト周波数、パルスの波形、およびパルス幅の2か複数の何れか1つか、何れかの組み合わせを設定または調整するモジュールを含む。例示バースト周波数パルス特性には、バースト持続期間と負荷サイクルが含まれ、これらは、バースト周波数パルス特性の一部として調整され得るか、定常バースト周波数に関係なく個別に調整されることが可能である。そのような調整は、自律神経系の緊張度の調整を弱めるか強めるべく、神経性刺激の強度を調整するのに用いられることが可能である。]
[0063] 神経性刺激装置は、電極を用いることによって、電気刺激を神経性標的に送達し得る。これらの神経性電極は、所望の副交感神経性標的の部位に依存して、心ペーシング電極と同じリードか異なるリード上にあり得る。幾つかの実施形態は、他の技法を用いることによって、神経性標的を刺激する他のエネルギを送達する。例えば、幾つかの実施形態は、神経性標的を刺激する超音波か光エネルギ波を生成すべく、変換器を用いる。幾つかの実施形態は、リードレス「衛星」電極/変換器を用いる。]
[0064] 図12は、種々の実施形態に従う、例えば図11において1108で用いられ得るような自律平衡指標検出器1208を例示する。例示自律平衡指標検出器は、心拍変動(HRV)、心拍数不整(HRT)、心電図(ECG)、活動度、および呼吸度の検出器を含む。先に示したように、1か複数のこれらを用いて自律平衡指標を提供し得る。例えば、心拍数不整と心拍変動は、両方を用いることによって、複合パラメータを提供し得るし、活動度を用いて複合パラメータの状況(例えば、交感神経緊張度の見掛けの上昇は、運動期間に起因する)を提供することが可能である。] 図11 図12
[0065] 図13は、本主題の種々の実施形態に従う、心筋をコンディショニングするペーシングと神経性刺激を提供する装置実施形態を例示する。例示装置1319は、検知回路1320,自律平衡指標(ABI)検出器1321、パルス出力回路1322、副交感神経反応神経性刺激装置1323、交感神経反応神経性刺激装置1324、および制御回路1325を含む。検知回路1320は、患者の自律神経の調子を示す1か複数の信号を検知する。自律平衡指標検出器1321は、1か複数の信号から自律平衡指標を検出する。パルス出力回路1322は、心臓にペーシングパルスを送達する。制御回路1325は、1か複数の検知信号に基づいて、および自律平衡指標に応じて、あるいはその何れか一方でペーシングパルスと神経性刺激の送達を制御する。幾つかの実施形態において、制御回路は、開ループ制御(即ちフィードバックなし)でペーシングパルスと神経性刺激の送達を制御する。幾つかの実施形態において、ペーシングパルスと神経性刺激の送達は、自律平衡指標検出器か検知回路からのフィードバックを用いて送達される。種々の実施形態において
、装置は、実質的に植込型医療装置の植込型ハウジング内に含まれる。] 図13
[0066] 制御回路1325は、ペーシングモードスイッチ1326、ペーシングモード制御装置1327,心臓保護的ペーシング治療期間を開始させる心臓保護的ペーシング治療(CPPT)イニシエータ1328、および心臓保護的ペーシング治療期間の持続期間を制御する心臓保護的ペーシング治療(CPPT)タイマ1329を含む。制御回路1325は、装置が心臓保護治療(ペーシングと神経性刺激)および他のペーシング治療の送達を制御できるようにする。これによって、例えば徐脈および心不全の治療のためなど、長期的にペーシング治療を送達する植込型医療装置に心臓保護的ペーシング治療ペーシングの機能が含められるようになる。種々の実施形態において、心臓保護的ペーシング治療は、スケジュールに従って、および自律平衡指標に応じて、あるいはその何れか一方によって1か複数の短期間に送達される一時的ペーシング治療を含み、植込型医療装置はまた、例えば徐脈ペーシング治療、または心臓再同期療法(CRT)などの長期ペーシング治療を送達する。他の実施形態において、心臓保護的ペーシング治療は、送達される唯一のペーシング治療であるか、または心臓保護的ペーシング治療は、少なくとも一定期間送達されるようにプログラムされた唯一のペーシング治療である。]
[0067] 各々のペーシング治療は、所定のペーシングモードに従ってペーシングパルスを送達することによって、送達される。ペーシングモードスイッチ1326は、心臓保護的ペーシング治療列が開始されると、ペーシングモードを長期ペーシングモードから一時的ペーシングモードに切り換え、心臓保護ペーシング列が完了すると、ペーシングモードを一時的ペーシングモードから長期ペーシングモードに切り換える。ペーシングモード制御装置1327は、ペーシングモードスイッチ1326によって選択されるようなペーシングモードに従ってパルス出力回路1322からのペーシングパルスの送達を制御する。一時的ペーシングモードは、一時的ペーシング治療の心臓保護的ペーシング治療で用いられるペーシングモードを指す。長期ペーシングモードは、例えば、徐脈ペーシング治療、または心臓再同期療法などの長期ペーシング治療において用いられるペーシングモードを指す。一実施形態において、一時的ペーシングモードは、心臓保護ペーシング治療が、心筋のストレス分布を変化させ、それによって心筋組織の虚血性損傷に対して固有の心筋保護機構を誘発するように、長期ペーシングモードと実質的に異なる。]
[0068] 心臓保護的ペーシング治療イニシエータ1328は、スケジュールに従って、あるいは医師か患者または判定自律平衡指標からの命令に応じて1か複数のペーシング列を開始し、神経性刺激イニシエータは、1か複数の神経性刺激列を開始する。一実施形態において、心臓保護的ペーシング治療イニシエータ1328はまた、外部システムを通じてユーザによって出された1か複数の命令に応じて1か複数の心保護列を開始する。]
[0069] 一実施形態において、制御回路1325は、不整脈を検出し、そして不整脈の検出に応じて1か複数の心臓保護ペーシング列を一時停止する。制御回路1325は、1か複数の所定型の不整脈を検出する不整脈検出器を含む。一実施形態において、心臓保護的ペーシング治療イニシエータは、不整脈の検出に応じて、心臓保護列を取り消すか、持続するか、でなければ心臓保護列を開始するタイミングを調整する。一実施形態において、心臓保護的ペーシング治療タイマは、前記列中に生じる不整脈の検出に応じてペーシング列を終了または一時停止する。]
[0070] 例示制御回路はまた、副交感神経反応神経性刺激装置1323と交感神経反応神経性刺激装置1324の少なくとも一方を用いて、神経性刺激のタイミングを制御する神経性刺激(NS)イニシエータ1330、神経性刺激を制御すべく用いられる神経性刺激の時期を決定する神経性刺激(NS)タイマ1331、および神経性刺激の強度と持続期間の少なくとも一方を制御すべく用いられる反射反応テンプレート1332を含む。]
[0071] 図14は、本主題の種々の実施形態に従う、神経性刺激(NS)成分1434と心調律管理(CRM)成分1435を有する植込型医療装置(IMD)1433を例示する。例示装置は、制御装置1436と記憶装置1437を含む。種々の実施形態に従って、制御装置は、神経性刺激と心調律管理機能を実行するハードウエア、ソフトウエア、またはハードウエアとソフトウエハの組み合わせを含む。例えば、この開示物において考察されるプログラム治療アプリケーションは、具体化されるコンピュータ可読命令として記憶装置に保存され、プロセッサによって実行されることが可能である。種々の実施形態に従って、制御装置は、神経性刺激と心調律管理機能を実行すべく記憶装置に組み込まれた命令を実行するプロセッサを含む。心調律管理機能は、心筋コンディショニング(CPPT)を含む。心調律管理機能の他の例は、徐脈ペーシング、例えば、抗頻脈性不整脈ペーシングと除細動などの抗頻脈性不整脈治療、および心臓再同期療法を含む。制御装置はまた、自律平衡指標と虚血の少なくとも一方を検出する命令を実行する。例示装置は更に、送受信機1438と、プログラマか別の外部装置か内部装置との通信に用いる関連回路系とを含む。種々の実施形態は、遠隔測定コイルを含む。] 図14
[0072] 心調律管理治療区分1435は、制御装置の制御下で1か複数の電極を用いて心臓を刺激する成分と心信号を検知する成分の少なくとも一方を含む。心調律管理治療区分は、心臓を刺激するため、電極を通じて電気信号を提供するパルス発生器1439を含み、更に検知された心信号を検出および処理するセンス回路系1440を含む。インターフェース1441は、全般的に制御装置1436とパルス発生器1439とセンス回路系1440の間の通信に用いるために例示される。心調律管理治療を提供すべく用いる例として3つの電極が例示される。しかし、本主題は、特定数の電極部位に限定されない。各々の電極は、独自のパルス発生器とセンス回路系を含み得る。しかし、本主題は、そのように限定されない。パルス発生機能と検知機能は、多数の電極で機能すべく多重化されることが可能である。]
[0073] 神経性刺激治療区分1434は、制御装置の制御下で、神経性刺激標的を刺激する成分と、幾つかの実施形態においては例えば血圧および呼吸などの神経活動度か神経活動度のサロゲートに関連するパラメータを検知する成分とを含む。3つのインターフェース1442は、神経性刺激の提供に用いるために例示される。しかし、本主題は、特定数のインターフェース、または任意の特定刺激機能または検知機能に限定されない。パルス発生器1443は、神経性刺激標的を刺激するのに用いる変換器または複数の変換器に電気パルスを提供すべく用いられる。種々の実施形態に従って、パルス発生器は、刺激パルスの振幅、刺激パルスの周波数、パルスのバースト周波数、および例えば方形波、三角波、正弦波、および所望の調和成分または信号を有する波などのパルスの形態を設定し、幾つかの実施形態においてはこれらを変化させる回路系を含む。センス回路1444は、例えば神経活動度、血圧、呼吸、その他のセンサなどのセンサからの信号を検出および処理するために用いられる。インターフェース1442は全般的に、制御装置1436とパルス発生器1443とセンス回路系1444の間の通信に用いるべく例示される。各々のインターフェースは、例えば個別のリードを制御するために用いられ得る。神経性刺激治療区分の種々の実施形態は、例えば迷走神経などの神経性標的を刺激するパルス発生器だけを含む。]
[0074] 図15は、マイクロプロセッサ式植込型装置の実施形態の医療システム図を示す。装置1545は、心房か心室内の複数部位を検知とペーシングの少なくとも一方を行うと共に、神経性刺激を提供するように物理的に構成され得る複数の検知チャネルとペーシングチャネルが装備されている。例示装置は、心筋刺激(例えば、心筋コンディショニング・ペーシング、徐脈ペーシング、除細動、心臓再同期療法)と神経性刺激(例えば心筋コンディショニング神経性刺激)用に構成されることが可能である。複数の検知/ペーシングチ
ャネルは、例えば、二心室再同期治療を送達するための1心房と2心室の検知/ペーシングチャネル、心房追跡モードで二心室再同期治療を送達するためと必要ならば心房をペーシングするために用いられる心房検知/ペーシングチャネルで構成され得る。装置の制御装置1546は、双方向データバスを介して記憶装置1547と通信するマイクロプロセッサである。制御装置は、状態機械型の設計を用いる他種の論理回路系(例えば離散成分かプログラム式論理アレイ)によって実行され得る。本明細書において使用されるように、用語「回路系」は、離散型論理回路系かマイクロプロセッサのプログラミングの何れかを指すものと解釈されるべきである。] 図15
[0075] 図15において例として示されるのは、「A」から「C」で示される、心筋刺激/ペーシングを提供するのに用いられ得るような3つの検知チャネルとペーシングチャネルである。前記チャネルは、リング、または近位の電極1548A〜Cおよび遠位または先端の電極1549A〜Cを備えた双極リード、パルス発生器1550A〜C、検知増幅器1551A〜C、およびチャネルインターフェース1552A〜Cを備える。従って各々のチャネルは、電極に接続されたパルス発生器から構成されるペーシングチャネルと、電極に接続されたセンス増幅器から構成される検知チャネルとを含む。チャネルインターフェース1552A〜Cは、マイクロプロセッサ1546と双方向に通信し、各々のインターフェースは、検知増幅器からの検知信号入力をデジタル化するアナログ・デジタル変換器と、ペーシングパルスを出力し、ペーシングパルス振幅を変更し、更に検知増幅器のゲインと閾値を調整するため、マイクロプロセッサによって書き込まれ得るレジスタとを含み得る。ペースメーカの検知回路系は、特定のチャネルによって生成された電位図信号(即ち心電気活性を示す電極によって検知される電圧)が、規定検出域値を超える場合、心房センスか心室センスの何れかのチャンバセンスを検出する。特定のペーシングモードにおいて用いられるペーシング・アルゴリズムは、ペーシングを誘発または阻害するそのようなセンスを用い、固有の心房レートと心拍数の少なくとも一方は、それぞれ心房センスと心室センスの間の時間間隔を測定することによって、検出されることが可能である。ペーシング・アルゴリズムはまた、適当なプレコンディショニングとポストコンディショニングのペーシング・アルゴリズムを含む。] 図15
[0076] 各々の双極リードの電極は、マイクロプロセッサによって制御されるスイッチング回路網1553にリード内の導体を介して接続される。スイッチング回路網は、固有心活動度を検出するためセンス増幅器の入力に電極を切り換えると共に、ペーシングパルスを送達するためパルス発生器の出力に電極を切り換えるのに用いられる。スイッチング回路網はまた、リードのリングか近位、および先端か遠位の電極の両方を用いる双極モードか、アース電極として働く装置ハウジングかカン1554とリードの電極の1つだけを用いる単極モードの何れかで装置が検知またはペーシングできるようにする。
また例として図15において示されるのは、「D」と「E」で表わされる神経刺激チャネルである。神経性刺激チャネルは、装置内に組み込まれる。これらのチャネルは、本文書において考察されるように、心臓保護治療の一部として副交感神経反応と交感神経反応の少なくとも一方を導く神経性刺激を送達するのに用いられることが可能である。例示チャネルは、電極1555Dと1556Dおよび電極1555Eと1556Eを備えたリード、パルス発生器1557Dと1557E、およびチャネルインターフェース1558Dと1558Eを含む。例示双極配置は、非排他的な例として意図されている。他の神経性刺激電極配置は、本主題の範囲内である。他の実施形態は、神経性刺激パルスが、カンまたは別の電極の基準とされる単極リードを用い得る。各々のチャネルのパルス発生器は、例えば振幅、周波数、負荷サイクル、パルス持続期間、および波形に応じて制御装置によって変動され得る一連の神経性刺激パルスを出力する。衝撃パルス発生器1559はまた、衝撃性頻脈性不整脈が検出されると、一対の衝撃電極1560Aと1560Bを介して心房か心室に除細動衝撃を送達すべく、制御装置にインターフェースで接続される。] 図15
[0077] 例示制御装置は、神経性刺激(NS)治療を制御するモジュールと心筋治療を制御するモジュールを含む。例示されるように、神経性刺激治療モジュールは、心筋コンディショニング(例えば迷走神経刺激かまたは心臓脂肪体の刺激)を実行するモジュールを含む。同様に例示されるように、心筋治療モジュールは、心筋コンディショニング・ペーシングを制御するモジュール、徐脈ペーシング治療を制御するモジュール、除細動治療を制御するモジュール、および心臓再同期療法を制御するモジュールを含む。例示される神経性刺激治療モジュールは、心筋コンディショニング・モジュールと神経性刺激スケジューリング・モジュールを含む。心筋コンディショニング・モジュールによって制御される神経性刺激は、心筋治療モジュールによって送達される心臓保護的ペーシング治療からの副交感神経反射を強める。スケジューラは、刺激のタイミングと持続期間を制御する。制御装置は、ペーシングチャネルを介するペース送達の制御、検知チャネルから受信されたセンス信号の解釈、および補充収縮間隔と感覚不応期間を規定するタイマの実行を含む、記憶装置に保存されたプログラム命令に従って装置の全動作を制御する。制御装置は、パルスが検知事象と時間間隔の満了に応じて出力される方法を規定する幾つかのプログラム・ペーシングモードで装置を動作させることができる。徐脈を処置する大部分のペースメーカは、規定の間隔内で生じる検知心臓事象が、ペーシングパルスを誘発または阻害の何れかを行ういわゆる要求モードで同期的に動作するようにプログラムされている。阻害要求ペーシングモードは、心室による固有拍動が検出されない規定補充収縮間隔の満了後にのみ、心サイクル中にペーシングパルスが心室に送達されるように、検補充収縮間隔を利用することによって、検知固有活動度に従ってペーシングを制御する。心室ペーシングの補充収縮間隔は、心室事象または心房事象によって再始動されることが可能である。心房事象は、ペーシングが固有心房拍動を追跡できるようにする。心臓再同期療法は、徐脈ペーシングモードと連動して最も都合よく送達される。その場合、例えば、徐脈モードに従って心臓をペーシングするためと、選択部位の早期興奮を提供するためとの両方を行うために、心サイクル中に多数の興奮刺激パルスが多数の部位に送達される。労作レベルセンサ1561(例えば、加速度計、分時換気量センサ、または代謝要求量に関連するパラメータを測定する他のセンサ)は、制御装置が、患者の身体活動度の変化に従ってペーシング速度を適合できるようにすると共に、神経性刺激と心ペーシングの少なくとも一方の送達を制御装置が調整できるようにすることが可能である。制御装置が外部プログラマまたは遠隔モニタと通信できるようにする遠隔測定インターフェース1562が、同様に提供される。]
[0078] [システム実施例]
図16は、本主題の種々の実施形態に従う、植込型医療装置(IMD)1664と外部システムまたは装置1665を含む医療システム1663を例示する。植込型医療装置の種々の実施形態は、神経性刺激機能と心調律管理機能の組み合わせである。植込型医療装置はまた、生物剤と医薬品を送達し得る。外部システムと植込型医療装置は、データと命令を無線通信することができる。様々な実施形態において、例えば外部システムと植込型医療装置は、データと命令を無線通信すべく遠隔測定コイルを用いる。従って、プログラマは、植込型医療装置によって提供されたプログラム治療を調整するのに用いられることが可能であり、植込型医療装置は、例えば、無線遠隔測定法を用いてプログラマに装置データ(例えば電池およびリード抵抗など)と治療データ(例えば、センスデータと刺激データなど)を報告することが可能である。植込型医療装置は、神経性標的を刺激し、心筋コンディショニング治療の一部として心筋をペーシングする。] 図16
[0079] 一実施形態において、心臓保護的ペーシング治療に加えて、植込型医療装置は、例えば徐脈ペーシング治療、および心臓再同期療法などの1か複数の他の心ペーシング治療も送達する。心臓保護ペーシング列が開始されるべきときに、別のペーシング治療が送達されている場合、そのペーシング治療は、一時的に停止されることによって、心臓保護的ペーシング治療の送達を可能にし、心臓保護的ペーシング治療列が完了すると再開される。]
[0080] 外部システムは、例えば医師または他の介護人または患者などのユーザが、植込型医療装置の動作を制御できるようにし、植込型医療装置によって獲得した情報を得られるようにする。一実施形態において、外部システムは、遠隔測定リンクを介して双方向的に植込型医療装置と通信するプログラマを含む。別の実施形態において、外部システムは、遠隔通信網を通じて遠隔装置と通信する外部装置を含む患者管理システムである。外部装置は、植込型医療装置周辺内にあり、遠隔測定リンクを介して双方向的に植込型医療装置と通信する。遠隔装置は、ユーザが遠隔場所から患者を監視すると共に処置できるようにする。患者監視システムは、以下で更に考察される。]
[0081] 遠隔測定リンクは、植込型医療装置から外部システムへのデータ送信を提供する。これは、例えば、植込型医療装置によって獲得したリアルタイム生理学的データを送信すること、植込型医療装置によって獲得し、植込型医療装置に保存された生理学的データを抜き出すこと、植込型医療装置に保存された治療履歴データを抜き出すこと、および植込型医療装置の動作状態(例えば、電池状態とリード・インピーダンス)を示すデータを抜き出すことを含む。遠隔測定リンクは、外部システムから植込型医療装置へのデータ送信も提供する。これは、例えば、生理学的データを獲得するための植込型医療装置のプログラミング、少なくとも1つの自己診断試験(例えば、装置動作状態のためなど)を実行するための植込型医療装置のプログラミング、および少なくとも1つの治療を送達するための植込型医療装置のプログラミングを含む。]
[0082] 図17は、本主題の種々の実施形態に従う、外部装置1767、植込型神経性刺激(NS)装置1768および植込型心調律管理(CRM)装置1769を含む医療システム1766を例示する。種々の特徴は、神経性刺激装置と心調律管理装置または他の心刺激装置との間の通信を含む。神経性刺激装置は、心筋コンディショニング治療の神経性刺激を送達し、心調律管理装置は、心筋コンディショニング治療の心臓保護的ペーシング治療を送達する。様々な実施形態において、この通信は、装置のうちの1つが、他の装置から受信されたデータに基づいて治療(即ち心臓保護的ペーシング治療に対する反射反応を高める)の時期を決められるようにする。幾つかの実施形態は、オンデマンド型通信を提供する。例示神経性刺激装置と心調律管理装置は、互いに無線通信することができ、外部システムは、神経性刺激装置と心調律管理装置のうちの少なくとも1つと無線通信することができる。例えば、種々の実施形態は、遠隔測定コイルを用いることによって、互いにデータと命令を無線通信する。他の実施形態において、データとエネルギの少なくとも一方の通信は、超音波手段による。神経性刺激装置と心調律管理装置間に無線通信を提供するよりはむしろ、種々の実施形態は、神経性刺激装置と心調律管理装置間で通信するのに用いる、例えば経静脈供給リードなどの通信ケーブルまたはワイヤを提供する。] 図17
[0083] 図18は、心臓1872に心調律管理治療を提供すべく位置付けされたリ−ド1871と、限定としてではなく例として迷走神経を刺激すべく位置付けられたリード1863とで患者の胸部に皮下または筋肉下に設置された植込型医療装置1870を例示する。リード1871を用いて心筋をコンディショニングする心筋ペーシングを送達することが可能である。リード1871は、所望心臓保護的ペーシング治療を提供すべく、心臓または心臓の近くに位置付けられる。幾つかの実施形態において、リードは、所望の除細動治療、所望の心臓再同期療法による治療、またはその組み合わせを提供するため、心臓または心臓の近くに位置付けられる。種々の実施形態に従って、神経性刺激リード1863は、神経性標的まで皮下を通ることができ、更に神経性標的を刺激する神経カフ電極を有することが可能である。幾つかのリード実施形態は、神経性標的近くの血管内に経脈管的に供給され、神経性標的を経脈管的に刺激するため、血管内で変換器を用いる。例えば、幾つかの実施形態は、内頸静脈内に位置付けられた電極を用いて迷走神経を刺激する。左右の迷走神経刺激時の2つの神経性刺激リードが、例示される。本主題は、両迷走神経の刺激に
限定されない。] 図18
[0084] 図19は、心臓1976に心調律管理治療を提供すべく位置付けられたリード1975と心筋コンディショニング治療の一部として少なくとも1つの副交感神経性標的を刺激すべく位置付けられた衛星変換器1977を備えた植込型医療装置1974を例示する。衛星変換器は、無線リンクを介して、衛星の惑星として機能する植込型医療装置に接続される。刺激および通信は、無線リンクを通じて行われることが可能である。無線リンクの例には、RFリンクと超音波リンクが含まれる。例示されていないが、幾つかの実施形態は、無線リンクを用いて心筋刺激を行う。衛星変換器の例には、皮下変換器、神経カフ変換器および血管内変換器が含まれる。] 図19
[0085] 図16と図17に例示される外部システムは、幾つかの実施形態において、プログラマを含み、他の実施形態においては患者管理システムを含む。図20は、外部システム2078の実施形態を例示するブロック図である。例示されるように、外部システム2078は、外部装置2079、遠隔通信網2080、および遠隔装置2081を含む患者管理システムである。外部装置2079は、植込型医療装置付近内に設置され、植込型医療装置と通信する外部遠隔測定システム2082を含む。遠隔装置2081は、1か複数の遠隔部位にあり、回路網2080を通じて外部装置2079と通信するので、医師または他の介護人が遠隔場所から患者を監視および処置できるようにし、および1か複数の遠隔場所から種々の処置資源にアクセスできるようにするか、その何れか一方である。一実施形態において、遠隔装置2081は、ユーザ・インターフェース2083を含む。これは、ユーザが心臓保護ペーシング治療を開始および調整の少なくとも一方を行えるようにする。] 図16 図17 図20
[0086] 医療システムは、神経連絡を刺激するか(迷走神経が刺激されると、副交感神経反応を提供する)、神経連絡を阻害する(迷走神経が阻害されると、交感神経反応を提供する)ように設計されることが可能である。種々の実施形態は、単方向刺激または神経内の幾つかの神経線維の選択的刺激を送達する。種々の実施形態に従って、上記で例示および説明されたような装置は、電気刺激として神経性刺激を送達するように構成される。神経性刺激を送達する他の要素を使用することが可能である。例えば、幾つかの実施形態は、例えば超音波、光、磁気、または熱のエネルギなど他種のエネルギを用いて神経性刺激を送達すべく変換器を用いる。]
[0087] 当業者は、本明細書において示すと共に説明したモジュールおよび他の回路系が、ソフトウエア、ハードウエア、およびソフトウエアとハードウエアの組み合わせを用いて実行されることが可能であることをわかっているだろう。そのように例えば用語モジュールと回路系は、ソフトウエア実装、ハードウエア実装、およびソフトウエアとハードウエアの実装を含めようとするものである。]
[0088] この開示物に例示された方法は、本主題の範囲内の他の方法を排除しようとするものではない。当業者は、この開示物を読んで理解すれば、本主題の範囲内の他の方法もわかるであろう。上記に示した実施形態、および例示実施形態の部分は、必ずしも相いれないものではない。これらの実施形態、またはその部分を組み合わせることが可能である。種々の実施形態において、方法は、プロセッサに各々の方法を実行させる1か複数のプロセッサによって実行される場合、一連の命令を示す搬送波か伝播信号において具現化されたコンピュータ・データ信号を用いて実行される。種々の実施形態において、方法は、各々の方法を実行するようにプロセッサに指示できるコンピュータアクセス可能媒体に含まれる一連の命令として実行される。種々の実施形態において、媒体は、磁気媒体、電子媒体、または光媒体である。]
[0089] 上記の詳細な説明は、限定ではなく、例示しようとするものである。他の実施形態は、
当業者には、上記を読んで理解すれば明らかになるであろう。従って、本発明の範囲は、そのような請求項が与えられる等価物の範囲全体と共に添付の特許請求の範囲を参照して判定されるべきである。]
权利要求:

請求項1
心筋刺激装置と、神経性刺激装置と、前記心筋刺激装置および前記神経性刺激装置に接続された制御装置とを備える医療システムであって、前記心筋刺激装置は、少なくとも1つの電極を通じてペーシングパルスを送達することによって心ペーシングを提供するように構成され、前記神経性刺激装置は、少なくとも1つの所望神経性標的に少なくとも1つの電極を通じて神経性刺激を送達することによって副交感神経反応か交感神経反応のうちの少なくとも一方を導くように構成され、前記制御装置は、前記心筋刺激装置を用いて交感神経刺激を間欠的に送達することであって、前記交感神経刺激は、ストレス誘発ペーシング中に交感神経緊張度を増大させるように構成される一連のストレス誘発ペーシングパルスを有し、一連の前記ストレス誘発ペーシングによって、一連の前記ストレス誘発ペーシング後に副交感神経反射が生じることと;前記神経性刺激装置を用いることによって神経性刺激治療を実行することと;一連の前記ストレス誘発ペーシングパルスと前記神経性刺激の間のタイミングを調整することによって、一連の前記ストレス誘発ペーシング後に前記副交感神経反射を強化することとを行うように構成され、前記タイミングの調整は、一連の前記ストレス誘発ペーシングパルス後と、前記副交感神経反射の少なくとも一部による同時発生との一連の前記ストレス誘発ペーシングに対する前記副交感神経反応であって、前記副交感神経反応は、前記副交感神経反射の副交感神経効果を強化することと;一連の前記ストレス誘発ペーシングパルス中の前記交感神経反応であって、前記交感神経反応は、より大きな交感神経刺激を提供することによって、より大きな前記交感神経刺激に応じて副交感神経反射の強化をもたらすこととのうちの少なくとも1つを導く神経性刺激の時期を決定することを有する、医療システム。
請求項2
前記神経性刺激装置は、前記副交感神経反応を導く神経性刺激と、前記交感神経反応を導く神経性刺激とを送達するように構成され、前記制御装置は、前記副交感神経反応を導く神経性刺激の時期と、前記交感神経反応を導く神経性刺激の時期との両方を決定するように構成される、請求項1記載の医療システム。
請求項3
前記神経性刺激装置は、所望神経性標的における副交感神経活動度を刺激することによって、前記副交感神経反応を導くことと;所望神経性標的における交感神経活動度を阻害することによって、前記副交感神経反応を導くことと;所望神経性標的における交感神経活動度を刺激することによって、前記交感神経反応を導くことと;所望神経性標的における副交感神経活動度を阻害することによって、前記交感神経反応を導くことととのうちのいずれか1つを行う神経性刺激を送達するように構成される、請求項1記載の医療システム。
請求項4
一連の前記ストレス誘発ペーシングパルスは、ペーシング心臓に非ペーシング心臓よりも過酷な作業をさせる、請求項1記載の医療システム。
請求項5
一連の前記ストレス誘発ペーシングパルスは、前記ストレス誘発ペーシングパルスなしの場合の固有心調律速度よりも速い速度でペーシングする、請求項1記載の医療システム。
請求項6
一連の前記ストレス誘発ペーシングパルスは、前記ストレス誘発ペーシングパルスなしの場合の固有心調律の心室−心房遅延よりも短い心室−心房遅延で心室をペーシングする、請求項1記載の医療システム。
請求項7
前記神経性刺激装置は、前記神経性刺激の強度である神経性刺激強度を調整するように構成され、前記制御装置は、前記神経性刺激強度の調整を制御するように構成され、前記制御装置は、一連の前記ストレス誘発ペーシング後に前記副交感神経反射を強化すべく、前記神経性刺激強度の調整のタイミングを調整するように構成される、請求項1記載の医療システム。
請求項8
前記制御装置は、神経性刺激を制御すべく反射テンプレートを用いるように構成される、請求項7記載の医療システム。
請求項9
前記制御装置は、前記神経性刺激装置を制御することによって前記反射テンプレートの一部の値に比例して神経性刺激強度を調整し、前記反射テンプレートの因子だけ副交感神経緊張度を増大させ且つ前記反射テンプレートの包絡線形状を再生するように構成される、請求項8記載の医療システム。
請求項10
前記制御装置は、前記神経性刺激装置を制御することによって前記反射テンプレート中に一定の神経性刺激強度を加え、より大きな副交感神経緊張度を提供するように構成される、請求項8記載の医療システム。
請求項11
前記医療システムは更に、自律平衡指標(ABI)を提供するために用いられる少なくとも1つの生理的パラメータを検知するように構成されるセンサを備え、前記制御装置は、一連の前記ストレス誘発ペーシング後に前記副交感神経反射に対応する前記自律平衡指標を用いることによって、反射テンプレートを生成するように構成される、請求項7記載の医療システム。
請求項12
前記制御装置は、前記神経性刺激装置を制御することによって、一連の前記ストレス誘発ペーシング後の前記副交感神経反射中に副交感神経緊張度を増大させるように構成される、請求項7記載の医療システム。
請求項13
前記制御装置は、前記神経性刺激装置を制御することによって前記神経性刺激強度を調整し、一連の前記ストレス誘発ペーシング後の一定期間に対して一定の副交感神経緊張度を提供するように構成される、請求項7記載の医療システム。
請求項14
前記制御装置は、前記神経性刺激装置を制御することによって前記神経性刺激強度を調整し、一連の前記ストレス誘発ペーシングから生じる前記副交感神経反射を超える副交感神経緊張度の期間を延長させるように構成される、請求項7記載の医療システム。
請求項15
前記医療システムは、植込型医療装置を備え、前記植込型医療装置は、前記心筋刺激装置と、前記神経性刺激装置と、前記制御装置とを有する、請求項1記載の医療システム。
請求項16
前記医療システムは、前記心筋刺激装置を有する植込型心調律管理装置と、前記神経性刺激装置を有する植込型神経性刺激装置とを備え、前記植込型心調律管理装置は、前記植込型神経性刺激装置と通信するように構成される、請求項1記載の医療システム。
請求項17
医療システムであって、交感神経刺激を間欠的に送達するように構成される交感神経刺激送達手段であって、前記交感神経刺激送達手段は、一連のストレス誘発ペーシングパルスを送達するパルス送達手段を有することと;一連の前記ストレス誘発ペーシングパルスと協調して副交感神経反応か交感神経反応を導く神経性刺激を送達するように構成される神経性刺激送達手段とを備え、前記パルス送達手段は、ストレス誘発ペーシング中に交感神経緊張度を増加させるように構成され、一連の前記ストレス誘発ペーシングは、一連の前記ストレス誘発ペーシング後に副交感神経反射をもたらし、前記神経性刺激送達手段は、前記副交感神経反射の副交感神経効果を強化すべく、一連の前記ストレス誘発ペーシングパルス後と、一連の前記ストレス誘発ペーシングに対する前記副交感神経反射の少なくとも一部による同時発生の前記副交感神経反応を導く前記神経性刺激の時期と;大きな交感神経刺激に応じて副交感神経反射の強化が生じる、より大きな交感神経刺激を提供すべく一連の前記ストレス誘発ペーシングパルス中に前記交感神経反応を導く前記神経性刺激の時期とのうちのいずれか一方を決定する時期決定手段を有するように構成されることを特徴とする、医療システム。
請求項18
前記医療システムは更に、前記神経性刺激を調整する手段と;前記調整の時期を決定することによって、前記副交感神経反応と前記副交感神経反射がもたらされる所望の副交感神経緊張度を提供する手段とを備える、請求項17記載の医療システム。
請求項19
前記医療システムは更に、一連の前記ストレス誘発ペーシング後の前記副交感神経反応を示す反射テンプレートを用いて前記神経性刺激を制御する手段を有する、請求項17記載の医療システム。
請求項20
前記医療システムは更に、一連の前記ストレス誘発ペーシングに協調して交感神経反応を導くために神経刺激を送達することによって、一連の前記ストレス誘発ペーシングの後に前記副交感神経反射を強化する神経反射強化手段を有し、前記神経反射強化手段は、一連の前記ストレス誘発ペーシング中に前記交感神経反応の時期を決定することによって、より大きな交感神経刺激を提供し、その結果より大きな前記交感神経刺激に応じて強化された副交感神経反射をもたらす、請求項17記載の医療システム。
請求項21
前記パルス送達手段は、前記ペーシングパルスなしの場合の固有心調律速度よりも速い速度でペーシングする手段と; 前記ペーシングパルスなしの場合の固有心調律の心室−心房遅延よりも短い心室−心房遅延と、前記ペーシングパルスなしの場合の前記固有心調律の心室−心室遅延よりも長い心室−心室遅延のうちの少なくとも1つで心室をペーシングする手段とのうちの少なくとも1つを有する、請求項17記載の医療システム。
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公开号 | 公开日
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